2003.03.21
CBEI, Canadian Business English Institute
『友達を作りながら、仕事に役立てるためのビジネス英語を学ぶ』
学校名の通り、ビジネス英語の学校です。English for Working and Businessプログラムの中の、プレゼンテーションをビデオ撮影するというオーラルスキル・クラスがユニークです。
★ここでインターンシップを経験して、帰国してもっと良いポジションに着けたらと思ったの。
(Paolaさん:生徒/1ヶ月一般英語、今はビジネスクラスのインターミディエイトの3ヶ月目。)
―なぜカナダに留学を決意したのですか?
「私はホスピタリティ産業で働いていたのですが、やはり英語は必要だと切に感じていました。留学先をここにしたのは、カナダはアメリカと同じような英語ですが、国としてアメリカよりいいと思ったからです。この学校に決めたのは、プログラムを見て、インターンシップに興味があったから。ここでインターンシップを経験して、帰国してもっと良いポジションに着けたらと思ったのです。この学校はとてもいいと思います。クラスメイト達と仲が良くていつも一緒に出かけるし、何といっても違う国から来ている人たちと英語で会話が出来るしね。」
―クラスはどうですか?
「来月は上のクラスに上がります。オーラルスキルでは毎週プレゼンテーションがあり、時に他のクラスの前でしゃべる機会があるの。今週は昨日でした。生徒各自が自分の家に持ち帰って見ることも出来るんですよ。自分がどのくらい上達しているか一目瞭然です。自分が間違えているところも分かるから、それがいいですね。でも、自分を見るのは変!うわー、って感じよ(笑)!ビジネスのトピックを勉強するクラスでは今「金融」がトピックで、その前は「マーケティング」でした。とても面白いです。語彙が伸びるし、ビジネスライティングのクラスで役に立ちます。」
―インターンシップを予定しているのですね。
「ええ、ホスピタリティの分野でね!それが目的だったんです。それが英語をブラッシュアップするいい機会だから。モーテル課のゲストサービスの、客室担当だったんですが、ここで勉強してから同じところでまた働く予定です。ここに来るために一度辞めなくてはならなかったけれどね。ここのアドバンスクラスで一ヶ月勉強して、最後に1か月のインターンシップを取ります。」
―どこにインターンシップを希望しているのですか?
「マリオットホテルです。実はメキシコでもマリオットホテルで働いていたんです。マリオットは特に、95%がアメリカからのお客さんなんです。だから英語が本当に必要なの(笑)!」
★韓国の友達とはいつも英語なので、英語を話すことに全く抵抗がなくなりました。
(Rieさん:生徒/4ヶ月間ビジネス英語プログラムを取った後、一般英語プログラムで現在勉強中。)
―ビジネスクラスはどうでしたか。
「ビジネスコースは4ヶ月位取っていたから、プレゼンテーションはビデオに撮った分はもう10回くらいあります。この間、始めて始めから通して見たんですよ。英語はあまり上達してないけど、(プレゼンテーションに)慣れているのが分かりました。今は一般英語を勉強しています。ビジネスのアッパーインターミディエイトを終えて、アドバンスにもいけるんですが、TOEICの勉強もしたくて。
ビジネスクラスの宿題は毎日2時間では終わらないほど多くて、がんばって新聞の記事とか読まなくてはいけないんですが、2時間では絶対終わらない!というくらい大変でした。今はのんびりやっています。あと、月の最後にグループプロジェクトがあって、皆で集まるんです。週に一度、ディスカッションがあるのですが、プレゼンテーターになる人は、自分でトピックを探したり、タイプした資料を作ったりもします。後は読むものが多いです。みんなの目的が語学としてのビジネス英語だから、電話の取り方などのスキルを学ぶわけではないんですよ。」
―ビジネスのアドバンスの目安は確かにレベルが高いですよね。もともとなぜこの学校に決めたのですか。
「高校生の時に1回、ESLの学校に行ったことがあったんですが、ゲーム中心の授業だったんですね。で、もうそんな歳じゃないなと思って(笑)、留学エージェンジーの人に、「高校生のような若い人たちと一緒に勉強する歳ではないから、もっと落ち着いたところで勉強したい」と言ったら、この学校を紹介してくれました。実際、皆落ち着いていると思います。ここのクラスメイトは比較的年齢層が高くて、友達が出来るたびに、その人が働いた経験があるからいろいろな話を聞く機会があって、ああそうなんだ、と教えてもらうことが多いです。先生からはもちろん、クラスメイトから教えてもらうことが大きいですね。今の一般英語も、やっぱりゲームはないですね。年齢層が高いので、皆静か。騒いだりはしません。」
―今後の予定は。
「ここで韓国の友達がすごくたくさん出来て、韓国に行こうかと思い始めています。ワーキングホリデーもあるし、日本語教師のコースも取っていたので、仕事が探せるかと思っています。韓国の友達とはいつも英語なので、英語を話すことに全く抵抗がなくなりました。いつも一緒に友達といるので朝起きたらもう英語、電話も英語だから、あー英語話さなくちゃ、という風に思わなくなりました。」
★オーラルスキルクラスは、発音と、自信をつけるのに役立っています。
(clair先生:
ビジネス英語・オーラルスキルクラス担当。以前久留米で教え、昨年も日本に旅行しました。)
「今日、私のクラスで3ヶ月勉強して帰国した生徒から手紙と写真が届いたのよ。日本の英語の先生に、ここでやっていたプレゼンテーションのビデオ撮影を提案して、その先生も試しているそうよ。」
―オーラルスキルのクラスを教えているんですね。
「発音と、それから特に自信をつけるのに役立っています。第2言語を学ぶ人たちは自信に欠けていて、『えっ、今なんていったの?』なんて聞かれる場合は大抵、小さな声だから相手が聞き取れないだけよ。発音の問題でなくてね。だから生徒達の声を使う授業をします。
先日は、マーティン・ルーサー・キングとか、ジョン・F・ケネディなど有名なスピーカーを真似てスピーチをするというテーマを決めたの。自分達の話し方でなく、その人たちの話し方をそっくりコピーするようにね。ネイティブスピーカーがどんな風に抑揚をつけて話すかを試したのには意味があります。声量、スピード、抑揚がいつも同じでなく、どんな場面で声が大きくなるか、小さくなるか、速くなるか、いつゆっくりにすべきか。そういったことを分析してから、真似たのよ。
通常は、生徒達は与えられたトピックで自分流にスピーチを行います。例えば何かのリーダー、政治、学校、会社など、何でもいいのですが、自分で一つ選んで、生活の質を高める為に何をするかというテーマに向けてスピーチをします。」
―生徒はレポートを先に作るのですか。
「まず、トピックが与えられ、概要の型が与えられます。生徒はそれに沿って概要を作ります。教師がそれらを見て、それが論理的にまとまっているか確認してから、生徒は作業をさらに進め、スピーチを完成させます。クラスメイトの前でスピーチをします。教師と裁定一人のクラスメイトがそれを評価します。先生が、生徒が何を言いたいかスピーチの意味推測するのは簡単だけど、ESLの生徒にも分かるようなスピーチができているか、発音だけじゃなく、文化が違ってもアイデアが通じているかという点の評価です。そしてさらに、自分でもテープを見て、もう一度自己評価をすることができます。受身に指摘されるのを待つだけでなく、自分でも、積極的に学習してほしいのよ。」
―日本人の生徒達について何か気が付きますか。
「もっと活動的で積極的になっているわ。10年前の、シャイで静かな典型的なイメージは無くなり、とても興味深いアイデアで参加している。南米の生徒達に比べたら、会話に飛び込んでくる、というより話す順番を待ちますけれどね(笑)。多くの若い大学生も休暇を利用してCBEIで勉強していますが、彼らが話すのは新しいビジネスのアイデアとか、最新技術とか、新しいことなので、私も影響を受けて若い気分になるわ。」
★学校と授業の風景
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授業風景1.ペアを組んでの授業中。各教室にはスライドプロジェクタがプレゼンテーションの為に用意されている。
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授業風景2.レスリー先生が担当するクラス。ランチ前の、一般英語のライティング&グラマークラス。
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授業風景3.このクラスは平均年齢少し高め?なかなかいい感じの国籍比率です。
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コンピューターラボで授業中なのは、ビジネスライティングのクラスと思われる。
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キッチン。施設はシンプルで、生徒達は教室でランチタイムを過ごす。
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ダウンタウンの中でも、領事館などのある比較的落ち着いたオフィス街に位置するビル。
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★CBEIは、ESL時代から就職や専門学校に進む過程の、中間にあるといえるでしょう。
(Stephanieさん:Registrar/この後出産休暇に入ります。)
―ビジネス英語プログラムの特徴について教えてください。
「CBEIはその名のとおりビジネス英語に焦点を当て、次の3つのクラスから構成されています。まずオーラルスキルのクラスはプレゼンテーションが定期的にあり、生徒は暗記したスピーチをしたり、セールス・プレゼンテーションや、報告形式でのスピーチなど、毎回異なるテーマで行われます。また就職活動時の面接や、ミーティング時のやり取り、ディスカッションの仕方などもこのクラスで学びます。生徒がビジネスの場で自信を持って英語を使えるようにするのが目的です。
ビジネスライティングのクラスは、報告書を作成したり、手紙、履歴書の書き方なども学びます。文法やスペルのよりも、ビジネスの形式に則った書式を学ぶことを重視します。
ビジネスコンセプトのクラスは、2週間ごとに、マーケティング、国際貿易、グローバライゼーション、金融などビジネスの話題を取り上げ、カナダでビジネスがどのように行われているか、そして文化によってそれがどう違ってくるかを学ぶ機会を与え、たくさんのビジネスの語彙を覚えていきます。語彙はたくさんありすぎて、大変ですが、これが実はビジネス英語プログラムが必要とされる理由の一つなんですよね。仕事経験や一般英語の能力が高い生徒でも、ビジネスの場で表現力をつけるため、専門的な語彙をたくさん知ることが重要です。
レベルは3つに分かれています。もし英語のレベルがビジネス英語のレベルに満たない場合は、一般英語のアッパービギナーのクラスから始めて、次にビジネスクラスを取るといいでしょう。」
−一般英語プログラムもあるんですね。
「一般英語プログラムは、会話に重点が置かれ、週ごとに新しいトピックを勉強します。ビジネスの要素は入りませんし、宿題も少ないです。プログラムの構成がTOEFLの枠のように分かれているのが特徴です。一般英語プログラムも3レベルです。午後にオプションコースとして3週間のTOEFLまたはTOEIC準備、発音クラスもあるんですよ。学校は8時から5時半まで開いていて、生徒は高速インターネットのコンピューターを使っています。授業の中でも時々使用しますが、あくまでも英語に重点を置いた授業ですので、オフィス用PCソフトウエアの使い方は授業に含んでいません。」
―アクティビティはあるのですか?
「コーヒー&カンバセーション、ムービー&ポップコーンという無料の催しが校内であり、会話をする機会と映画を楽しむ機会がたびたびあります。会話のときはとってもうるさくなるんですよ(笑)。生徒達は、一般的に他のESLより年齢層が高めです。25−35歳が中心で、仕事経験があり、企業から英語の研修に派遣されてくる生徒もいます。また大学生が休暇を利用して来る場合もあります。また仕事を辞めて、海外でインターンシップを経験してから帰国して再就職に備える人もいます。インターンシップはアドバンスレベルの英語力と、その分野の仕事経験が必要です。」
「1つのレベルを終えるのに平均約3ヶ月間ですが、上達が早ければ3ヶ月を待たずにレベルが上がります。3時間かけてTOEFLの模擬テスト、会話での面接、作文の3つをテストし、それを基準にします。入学前にもビジネス英語のレベルに達しているか、皆さん不安があるでしょうから、テストで英語力の確認をしてから申し込みできますよ。無料のトライアルレッスンもできます。
1−6ヶ月までサーティフィケイト、6ヶ月以上は2つのレベルのディプロマを発行します。ESLの仕上げにこの学校で学び、帰国して就職する生徒がいる反面、ここでUBCのビジネスプログラム、キャピラノカレッジ、BCITや
ピットマン・ビジネス・カレッジ、スプラット・シャウといった専門学校を勉強して目指す生徒もいます。生徒の英語力が基準に達していれば、この学校で証明書を発行し、提携している各学校は入学試験なしでその生徒を受け入れてくれます。だからCBEIの位置付けは、ESL時代から就職や専門学校に進む過程の、中間にあるといえるでしょう。」
★普段の授業から月末のプレゼンテーションに焦点を当てて授業を行っています。
(Lesley先生/ビジネスのオーラルスキル、一般英語のインターミディエイトクラスを担当。日本人のだんな様はアーティストです。)
「明日がプレゼンテーションの日なので、今日生徒はトピックを与えられ、考える時間を与えられます。観客を引き込む導入と、整理されたポイントや例を挙げて、結論に持っていくようにね。各自たった2分しかスピーチ時間が無いので、良くまとめなくてはなりません。今回のトピックは、過去100年間で最も影響を与えた人物、です。3つの明白な理由を挙げてね。」
―TOEFLのライティングみたいですね。
「その通り。英語では、話すことと、書くことの間に大した違いは無いの。違いは、ビデオに撮られることでスピーチの方が神経質になることかな(笑)。そして、観客とは目と目を合わせる、これを教えるのはビジネス英語プログラムの重要なポイントで、生徒達に自信を持って話してもらいます。大きな声で、分かりやすく、笑顔でね。」
―そういう風に変えることが、すぐにできるのでしょうか。
「YES!最初の一ヶ月で、上達が見られますよ。たった2回しかスピーチをやらなくてもね。毎月末には最終プレゼンテーションがあるので、普段の授業からそれに焦点を当てて授業を行っています。その他、例えば、グループを作って、ある職の求人をする雇用者が面接官となって応募者を面接するという設定で、各自が面接をし合い、それをまとめ、面接官が集まって職種と応募者を検討し、どの応募者を雇うかを決めるというもの。これはジクソーと呼ぶ形のもので、パズルのピースを分ち合って、ディスカッションも含んで結論に至るというものよ。これもグループごとに発表し合って、他のグループの選考経緯も参考にできるわ。その他に、各自が意見を与えられ、その意見を指示する3つの理由を考えます。いわゆるディベートですね。上司はその中から一つの意見を選びます。」
一般英語のクラスはどうでしょう。
「プレゼンテーションはありますが、ビデオには撮りません。トピックは毎週違います。ビジネスのコースでは2週間ごとに変わります。他のESLの一般英語と違うところ?授業の中で勉強し、宿題が少ないので、余裕がある点ですね。」
<取材後記>
CBEIは、ビジネス専門学校ではなく、あくまでも英語の学校です。英語でプレゼンテーション、ディスカッション、ミーティングや、書類の書式、語彙などを学び、それをフルに活用してコミュニケーションができるように、また英語に苦痛を感じないで仕事が出来るようになりたいと思う人に、自信を与えてくれるプログラム内容です。
すでになんらかのスキルを持っていたら、英語力をプラスして、さらに活躍の場が広がることは間違いないでしょう。企業派遣が多いというのもうなづけます。また大学の専攻がビジネスという人も、英語を学ぶと同時に周りの生徒からいろいろ情報をもらえますから、とても有意義なプログラムではないでしょうか。
ビデオで撮られるプレゼンテーションや、グループで行うディスカッションやディベートなど、日本ではなかなか実現しないような内容の授業をたくさん盛り込んだビジネス英語の授業は、本当に面白そうで、知らない間にビジネス英語力がついていそうです。そういったプログラム内容や、レベルが常に3つある点、クラスメイトが全員ビジネスにフォーカスしている点が、普通のESLスクールに設けられたビジネス英語クラスに比べ、より本格的です。ESLを終えてくる生徒も多いというのは、そういうわけだと思います。宿題も多めですが、やる気のある人に、時間をかけようと思えばいくらでもかけられる内容の宿題というのは、ありがたいですね。逆にのんびりとマイペースで行きたい人には一般英語クラスがあります。
友達をつくるだけが目的なら、ESLはたくさんあります。でもCBEIは、友達を作りながら、仕事に役立つ英語を勉強することができる学校と言えます。
レポート Jpcanada.com取材班(kiri)
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