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毎週更新!カナダ留学・語学学校・専門学校『生』情報

2003.04.28


Blanche Macdonald 2003


『メイクとファッションのインターナショナルプログラム。

以前取材して以来反響の大きいこの学校では,2002年6月以来各国からの留学生(または新移民など、英語が母国語でない人)向けのコースが設けられています。具体的に往来のプログラムとどう違うのか、を聞いてきました。 →前回の取材ページはこちら。

★収入を得る近道という点で最適なプログラム。
(Michelleさん:Make-upプログラムDirector/ 85年モデル,90年メイクアップを学ぶ。ロスアンジェルスで特殊効果を学び,後にアダムスファミリーなど多くのTVメイクを手がける。)

―インターナショナル・メイクアップステュディオ・プログラム(以下IMP)は、既存のメイクアップ・アーティストリー・プログラム(以下MAP)とどのようにちがっているのでしょう。

「MAPはもともとテレビと映画撮影の為に作られたもので、ファッション,ヘアスタイルなど一通りやるけれど、テレビ,映画,舞台用メイクに80時間,特殊効果(F/X)に188時間と大変な時間を割いています。それがMAPの最終目標。そしてMAPは多くの筆記テストがあります。今までに多くの留学生がMAPに入学していますが、皆素晴らしい生徒達にも関わらず、ノートを取ったり筆記テストを受けたりすることが大変ストレスになって実技へのエネルギーも奪われがちだったの。MAPのキャリアは、特殊メイクに焦点を絞っていますので,TVや映画業界という細い一本のキャリアに限定されます。

IMPは、まず英語が母国語でない人の為であり、またファッションメイクに重点を置いています。授業内容は実技が主で,ノートを取ったり試験を受けたりということがないの。
勉強に費やす部分を実習に置き換えたのがIMPなんです。時間をかけて細かい部分まで実技を追求することが可能になりました。IMPはエアブラシやヘアも実技の時間が長くなって、コース末には私がデザインしたメイクアッププログラムが組み込まれています。 実技が多い分,何度も何度も、納得がいくまで繰り返し行う時間があり、生徒達が素晴らしい作品を作っていますよ。 またファッションメイクアップに焦点を当てているし、ブライダル・ウエディングメイクにもかなりの時間をかけます。これは、収入を得る近道という点で最適です。

―IMPは将来プロとして働くためのトレーニングに十分ですか。

「もちろん!プロになるのに学校でのトレーニングは最低限でもいいと思いますよ。というのも業界で働いている多くの人たちは,メイクの学校に行ってないの。確かに教育と履歴書に書かれた学歴はとても大切だけれど,同時に野心を持って頑張れば道は開けるでしょう。どの業界でも,学校を卒業すればプロになれるわけではなく,卒業がキャリアの第一歩。新しい知識を学んで、トレーニングを積んでいくうちに、キャリアが才能を磨き,キットを充実させ,メイクアップアーティストとして花が開くのです。時間はかかります。トレーニングを始める学校として,このプログラムは最大限です。」

―IMPのインストラクターはMAPのインストラクターと違うのでしょうか。

「YES&NO。MAPのどのインストラクターでもIMPが勤まると自信があります。しかし各インストラクターの性格によって、IMPがより良く勤まるかどうかが分かれます。言葉の障害のせいで、時限の違うところでコミュニケーションを持つ必要がありますからね。とても重要なことね。」

―留学生がMAPのコースを取ることも可能なんですか。

「もちろん!誰がどのプログラムを取ってもOK。MAPにも留学生はいるし、どちらも選択肢だけれど、どこにエネルギーを注ぐか。ノート取りや試験に時間を費やしたいか、実技にもっと時間をかけたいか、の違い。言葉の壁とシャイな性質のせいで授業中に質問しない留学生が多いのですが、IMPでそれを手助けできるわ。それから、IMPを取り終わってから、特殊効果に興味を持って、MAPの特殊効果を取る生徒もいます。MAPを取り始めてから、IMPに移った生徒もいます。IMPは海外からだけでなく新移民もいますし、地元の生徒も歓迎。誰にでもオープンです。でも、10年の教師経験から言えるのは、MAPは留学生にはとても大変だということよ。」


★メイクより、正直ネイルの方が大変でした。
(Hiroeさん:生徒/インターナショナルメイクスタジオ第一期生。その後ネイルを終えたばかり。)

―まずメイクの学校を決めたいきさつと、その時のクラスについて教えてください。

「ESLでやることは同じで、どうせなら何か興味があることを、と思ったらメイクアップ系しかなくて。インターナショナル向けのクラスが丁度始まったときでした。クラスは、運良くカナダ人の生徒が一人いて,新移民の人たちも多く、英語もESLよりレベルは高いので、やりやすかったです。国籍は,中国の人が一番多くて,韓国人,次に日本人でした。ベトナムの人,メキシコの人が一人づついて、あとはカナダ人が一人。楽しかったですよ。先生も,手助けが多かったです。分からなかったら聞きなさい,聞かれることが嬉いから、といった感じでした。先生は皆やさしいんです。自分の作品を見せてくれたり、Mani先生はブライダルのクラスの中で自分のキットを持ってきてくれて、使いたかったら使いなさいと言ってくれたり。彼女はお気に入りの先生です。ご自身がインド系なのでインドのブライダルメイクを見せてくれたり,白人の生徒の多いディプロマクラスと合同で、違う人種にメイクをする機会も持ってくれました。白人はアジア人と違って彫りが深いから、メイクも全然違いましたね。」

―そしてネイルも取ったんですね。

「本当はネイルを先にやりたかったんです。でもいい学校が見つからなくって、ブランチマクドナルドでメイクのコースを取っている間に、ネイルコースも開講したんです。ネイルは衛生面が関わってくるので、授業料が高いけれど、設備がきれいだし、すでにメイクを取っていたので学校にも慣れていましたので、そのままブランチマクドナルドのネイルコースを取りました。あとカナダ人の生徒が多いので英語を使いたかったというのもあり、高くても満足でした。ずっと同じ先生で、たまに製品の会社の人が来たり、あと爪の手入れやリフレクソロジーも学びます。」

―ネイルとメイク、両方取ってみてどうですか。

メイクより、正直ネイルの方が大変でした。インターナショナルのメイクは理論が無く実技だけなので、暗記したり机で勉強することが無かったんですが、ネイルは解剖学とか入ってきて、それを覚えるのが大変です。今度BC州のライセンスの試験を受けます。やりたいことだからやれるけれど、どちらが大変かといえば、ネイル。でも、カナダ人と一緒だから面白いですよ。3ヶ月はあっという間でした。」

―キットもボリュームがあるようですね。

「ちゃんと全部そろっていて,入るとき何が含まれているか聞かなかったのですが,思っていたより充実していました。ネイル用UVランプも付いているんです。メイクのキットに関しては,私達のクラスとそのあとのクラスでは変わったようで、キットボックスの大きさも,中身も全然違ったものでした。どんどん変わっているようです。」

―今後の予定は?

「これからヘアドレッシングの学校に行き、総合的に美容を学びます。この学校にもヘアのプログラムがこれからできると聞きました。」


★もともと映画の特殊メイクをやりたかった。
(Kiyomiさん:生徒/Make-up Artistry Program6ヶ月目。)

―学校を選んだいきさつについて教えてください。

「メイクに興味があったので学校を調べて,やっぱりやるならハリウッドでと思ったのですが、ハリウッドの学校は期間が短くてとっても高いんですよ。こんな短い期間でこんな高いお金を払うんだったら、もっと長い期間学びたいと思って。ここの友人にどこがいいメイクアップの学校ない?と聞いたら,3人が3人ともこの学校が有名だよ、と教えてくれました。あと、他の学校のメイクのインストラクターの出身校がこの学校だったんです。それからjpcanadaの学校紹介ページでも見ました。もともと特殊メイクをやりたかったので、インターナショナルのほうには特殊メイクが組み込まれていないと聞いて,こちらを取りました。MAPのいいところは,最初の基礎から、ファッションメイク,舞台メイク,TVと映画メイク,特殊メイクと、全部をやってみてどれが自分のやりたい事か、見つけられることなんです。」

―どうして特殊メイクをやりたかったんですか?

「映画を観ていて,人間がいきなり太ったりといったものを自分でやってみたいなと思ったのと,前にカナダに来ていた時,街で撮影をやっているのを見かけて、現場で働いてみたいなと思って。人間を太らせたりするのは、ここの学校ではやっていなくて,ロスアンジェルスに学校があるそうです。ここではモンスターメイクとか、耳をつけたりなくしたりというのはやるそうで、あとは皺を作ったり。」

―テストなどは大変ですか?

「すっごく大変です!筆記が苦手なんですが,ストーリーを考えなくてはいけない。例えば老人のメイクで、その老人はどこで生まれて、環境や遺伝がこうで、だからこういう顔をしているというバックグラウンドストーリーを考えるのです。初日は先生のスピードが速くてカナディアンも今どこ読んでるの?と私に聞いてきたくらい。でもだんだん慣れました。(笑)以前一年間語学学校に行っていて、この学校の前にネイル学校に3ヶ月行っていました。クラスメイトの女の子達がスラングとか使うし、それを聞くのに一生懸命。(笑)語学学校より生きた英語を学べます。映画を見てると皆そのメイクを細かく見ていて、感想で盛り上がります。結構映画関係者が多く、知り合いの知り合いなどから撮影に誘われたりします。実際に、音楽ビデオ撮影の現場に行ってミュージシャンと話す機会がありました。その代わり重たい荷物を運んだり、大道具さんの手伝いをさせられました。(笑)」

―卒業後の進路はどうしますか。

「今Maryに相談中。ロスアンジェルスの学校で、皮膚の表面をゴムで作って張っていくという技術を学ぶ学校は,2ヵ月半で60万円と高いです。Maryはここのコースが終わってそれが本当に好きだったら取りなさい、それまでは申し込んじゃダメ,と。でも憧れの特殊メイクアーティストがいるので一度行ってみたいと思っています。」


★学校と授業の風景
エステティックスのコース。生徒が交代でマッサージの練習に励む。
メイクアップコースで使われるキットのボックスの中身を見せていただきました。本当に様々なライン。
ファッションデザインのクラス。ミシンなど使って実際に服を作っている模様。
メイクのエアブラシテクニックで書かれたデザインイラストが、エアブラシ専用教室のあらゆるところに飾ってあります。
右に同じ。全てエアブラシ。濃淡がとてもきれい。
ファッションデザインの卒業生の作品をお披露目するショーが毎年ホテルで開かれる。


★成功するためには,才能だけでなく、何度も自分を売り込んで、働きかけること。
Mami先生(ブライダルメイク・メイク基礎など担当・1991年エステプログラム卒業生。)

―ここで教えることになったいきさつを教えてください。
「エステのプログラムを取っているとき,メイクの科目が大好きだということに気がついたの。卒業後、エステの仕事を2年してから,化粧品会社のMACに採用されました。7年間、バンクーバーのMAC数店舗でアシスタントマネジャーをした後,ビューティートレーナーとして新人のトレーニングに携わり、同時にこの学校でパートタイムの教師として時々指導していました。その後この学校でフルタイムで教えて始めて4年になります。でも、フリーランスのメイクアップアーティストとして、現在もいろいろなところで働く機会があります。」

―ここではMACの製品を使いますか。

「ええ、でもキットは一社の製品から構成されているのではなく、様々なところから優れたものを選んでいて、私自身も違う製品をいろいろ使うのが好きよ。生徒達は基本のキットに好きな製品を追加していけます。」

―現在教えているメイク基礎クラスについて教えてください。 

「色や肌についての基本理論、ナチュラルメイク,デイメイク、夜のメイク,グラマーなメイク,睫毛など、段階を追って。プロジェクトとしてフォトモデルにメイクをする機会も。様々なタイプの人に違うメイクをする事で経験を積み、生徒自信のカメラでも自分の作品を撮る事や、例えば写真の学校の異なるフリーランスの写真家と作業することで、ポートフォリオになる作品を作ることも奨励しています。」

―どんな人がメイクの世界で成功すると思いますか。

才能だけでなく、一度仕事をした顧客にも、何度も自分を売り込んで、働きかける。簡単ではないわ。常に最新の状態に保ち,貪欲であることも大事。仕事がほしかったら,外に出て行って見つけなくては。それから自分のメイクのスタイルを保って,常に業界に携わることで流行の変化に追いついていること。その点この学校のいろいろなインストラクターや、ファッションショーで会うメイクアップアーティストからお互いにいろいろ学び合えるから素晴らしいです。」


私達の学校は拡大し続け,2004年にはヘアのプログラムができます。
(Maryさん:Director of International Marketing)

―新しいインターナショナル・ファッション・ポートフォリオ・プログラム(以下IFFP)について教えてください。

「IFFPは留学生の為に特別にデザインされたもので,初心者向けのプログラムです。このプログラムの為に、ファッションとメイクアップの専門用語を、日本語を始め5つの言語で説明したものを用意しました。プログラムが始まる前に、英語と母国語両方のファッション用語を確認し,クラスが始まったら、ファッションを学びながら専門用語のリスニングとスピーキングに集中できます。IFFPの最後には,6ヶ月間貯めたデジタル化されたポートフォリオと、ディプロマを手にし、英語のリスニング・スピーキングスキルも上達しています。」

―IFFPでは具体的にどのようなことを学ぶのでしょう。

「6ヶ月の間に,いろいろなことを少しずつ学びます。6ヶ月の過程を終える頃,ファッションデザインがやりたいのか,マーチャンダイジングやマーケティングの方に進みたいか、はっきりします。その後一年間のファッションデザインプログラムもしくは、10ヶ月のファッション・マーチャンダイジング・プログラム入学試験を受けずに入学することが可能です。この4月から3人の女性が、IFFPを始め、その後マーチャンダイジングに進むことが決まっています。IFFPは留学生にとって、良いキャリアへの踏み台になると思う。多くの場合生徒達はファッション業界に憧れがあっても、自分に合っているか,自分に才能があるか、本当に自分がやりたいことか、といった恐れがあるの。6ヶ月の期間が終わったときに、絶対ファッションデザイナーになりたい!とか、自分はこの業界でやっていきたい!あるいは、一歩進んで今すぐ業界で働きたい!ということが分かるでしょう。

―ネイルプログラムについて教えてください。

「実は,日本からのほとんどの留学生がとても素晴らしい、ゴージャス!なネイルをしているのを見て、これは、と思い、私達はネイルのプログラムを作りました。エアブラッシングに焦点を当てて,生徒達はエアブラシの含まれたネイルキットを持ちます。留学生もBC州のライセンス試験を受けることが可能です。この試験は,受かるとBCネイルテクニシャンとしての資格が与えられ、BC州で働くことができます。(※外国人は働くためにはビザが必要。)試験は難しいですよ。ネイルを学ぶことは身体を学ぶこと。お客様が爪の病気を持っている危険性もあります。だからネイルコースに入学する際は、英語のレベルを見ますライセンステストはみんなパスしなくてはいけないわ。だからそのテストにパスできるだけの英語力を生徒に要求するの。もし、ただの趣味や興味なら、自己流に見よう見まねで楽しめばいいけれど,安くない授業料を支払う以上、この試験を受けて,ライセンスを取って、働きたいでしょ?」

―なるほど,そうですね。

「仕事はパートタイムでもたくさん有ります。バンクーバーの多くのホテルで日本人旅行者向けに、日本人のライセンスを持ったネイルテクニシャンが必要とされます。私達の学校は、美容業界から知られているためいろいろなところからボランティアの誘いがあります。美容業界ではプラクティカムやインターンシップと呼ばれる実習が不可能で、プログラムに組み込まれていませんが、ボランティアは週末のメイクの手伝いなど短期間で呼ばれるもので,履歴書には経験として書くことが可能です。」



<取材後記>

前回の取材から約1年が経ちましたが、インターナショナルメイク、インターナショナルファッション,ネイルという新しいプログラムが3つも出来ています。広告や宣伝などまったくしていないのに、口コミで生徒達が集まってくるということから、卒業生の満足度が分かります。需要に応えてヘアプログラム、最新のコンピューターの導入が予定される今後、より最新の内容、よりインターナショナルな環境になることは間違いないでしょう。

今回の取材で、往来のメイクプログラムと、新しいインターナショナル向けメイクとファッションのプログラムの違いがはっきりと分かっていただけたと思いますので、自分の目指す方向性でプログラムを選んでいただけたら,と思います。インターナショナル向けのファッションプログラムは、往来の2つのファッションプログラムの基礎を取り混ぜて、ポートフォリオ作成を目指したもの。興味・趣味の段階からキャリアへ導く最初のプログラムです。どちらも英語の壁が低くなり,ストレスレベルも下がりました。

これからのキャリアを考えているみなさんに,経験豊富なMichelleさんとManiさんからのメッセージと、自分のしたかったことを生き生きと学んいる生徒さんの感想が参考になれば幸いです。

レポート Jpcanada.com取材班(kiri)



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